雑に読む百人一首 #44
44番 中納言朝忠
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
逢うことが絶えているので、逢えなくなって、ですよね。
絶えて-しなくは なのか 絶えてし-なくは なのか。どっちで切る言葉なんでしょう。
人っていうのは相手の女性で、身っていうのは自分のことでしょうか。どっちをも恨んでしまう、みたいな。
逢えなくなって、あの人も、自分自身をも、恨んでしまう……とかそんな感じでしょうか。
さて……今回のは難しいですね。
絶えて-し-なくは、~まし なんですねコレ。しかも「絶えて」は途絶の意味ではなく、絶対に、の意味で、「し」で強調。全体で「絶対ぜーったいないのなら~~しないのに」という意味。
「なかなか」も、「なかなかいいねぇ」じゃなくて「なんか、中途半端……。ないほうがいいよ」的な否定的ニュアンス。
「人をも身をも」は、いい感じに解釈できてましたが「相手の不実も、それによる自分のつらさも」という感じ。
全体で、「逢うことが二度とないのであれば、こんな中途半端にあの人や自分を恨んだりすることはないのに」となって、なんというか、……重いよ。
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