雑に読む百人一首 #44
44番 中納言朝忠
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
逢うことが絶えているので、逢えなくなって、ですよね。
絶えて-しなくは なのか 絶えてし-なくは なのか。どっちで切る言葉なんでしょう。
人っていうのは相手の女性で、身っていうのは自分のことでしょうか。どっちをも恨んでしまう、みたいな。
逢えなくなって、あの人も、自分自身をも、恨んでしまう……とかそんな感じでしょうか。
さて……今回のは難しいですね。
絶えて-し-なくは、~まし なんですねコレ。しかも「絶えて」は途絶の意味ではなく、絶対に、の意味で、「し」で強調。全体で「絶対ぜーったいないのなら~~しないのに」という意味。
「なかなか」も、「なかなかいいねぇ」じゃなくて「なんか、中途半端……。ないほうがいいよ」的な否定的ニュアンス。
「人をも身をも」は、いい感じに解釈できてましたが「相手の不実も、それによる自分のつらさも」という感じ。
全体で、「逢うことが二度とないのであれば、こんな中途半端にあの人や自分を恨んだりすることはないのに」となって、なんというか、……重いよ。
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雑に読む百人一首 #43
43番 権中納言敦忠
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
え、これって……、そのまま読めばいいんですかね?
あの人に逢って見てしまって以降、心が揺さぶられまくっているよ。
それに比べれば、ホント、以前はなーんにも心に感じてなかったんだなぁ……。
ですかね?
恋の病じゃないですか?
おっと、答え合わせをしてみたら、少しニュアンスが違いましたね。
逢ひ見て、っていうのは、単に一目見てとかではなくて、もう逢瀬だし何なら一線を越えてひゃほーいしちゃったという意味なんですね。うーん、分かるか!
いやー、お泊りデートしちゃったら、更にドキドキが募っちゃったよ、これまでの恋心なんて何も考えてなかったのとおんなじだわこりゃ……、っていう感じだそうです。
なんか、何度も同じこと言ってますが、本当、平安朝の時代から人って変わってないですね。
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雑に読む百人一首 #42
42番 清原元輔
契りきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 波越さじとは
おおう……、さっぱり分かりませんね。
契るってのは、約束のことですよね。「きな」は「来な」でしょうか。約束して来たのに「かたみに袖をしぼりつつ」?
約束したのにいねーじゃん!? みたいな? 袖をしぼるっていうのはどういう状況なんですか。袖をしぼれるぐらい涙がちょちょぎれるってことですか?
そして「末の松山」ですよ。泣きまくった末の、松山……愛媛じゃねーよなぁ
松山で波が越える……越さじ、だから越えないのかな。
さて、答え合わせですが……、おっと、割と悪くはないですね。
「きな」は物理的に来るとかじゃなくて、契ってきたのに=約束したのに、ってことだそうです。
袖をしぼるというのが涙ちょちょぎれるってのは合ってましたよ! かたみが「互いに」っていうのはちょっとわかんなかったですね。
末の松山は、普通に場所を指す言葉で、そこを波が越えることなんてない=絶対にないことを表すとのこと。
で、全体で、お互いに泣きはらして絶対に心変わりしないと約束したのに……したのに……、となるようです。
まぁ……、そういうこともあるよね、うん。
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雑に読む百人一首 #41
41番 壬生忠見
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
なんか1個前のも、人知れず(いえ駄々洩れでしたが)みたいな歌でしたけど、人知れず思っている歌です、また。
はてさて、でも、前半は何でしょうか。
恋すてふ……すてふって何。わが名はまだき……まだき……名が立ってるとは。
思いそめ、の「そめ」は、書初めとかの初めなんでしょうかね。思い始めた、みたいな?
人知れず、ちょっと恋かもしれないとか思ってみたりなんかしちゃったりして、でもこれって本当に恋かしらん!?
って感じでしょうか。
はい、違いましたー。
「まだき」っていうのは、もう既に、っていう意味だそうで、恋しちゃってるって私の名前がもう話題に上っちゃってるー! まだこっそり想い始めたばっかりなのに!
ということでした。
つまり、やっぱり駄々洩れってことですよね。
なお、冒頭で、40番と似てない? って書きましたが、そのものズバリで、同じ歌会でのお題で競った歌なんだそうです。
平安朝……今から1000年以上も昔の歌会でのお題で競い合った歌が、こうして現代に残って百人一首に仲良く並び立っているのって、なかなか面白いですね。
これが……恋ってやつでしょうか(違います
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雑に読む百人一首 #40
40番 平兼盛
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問うまで
どうやら110日ぶりの記事のようですが、さすがにここまで40近く読んできてるとなんとなくわかってきますよ。
しのぶれど色に出でにけり……、しのんでないじゃん! 出てきてるじゃん!
て気もしますが、たしか「けり」っていうのは強調なので、兼盛さんの恋はもう隠しきれないぐらい溢れて出てきてしまうわけですよ。
そりゃあもう、「何もの想いに耽ってんの? 大丈夫?」って、人に問われてしまうぐらいに。
恋の病ってやつですかね。
月まで届くよな遥かな行列に数多の患者が問い集う蓬莱の診療所ー、ですか。
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雑に読む百人一首 #39
39番 参議等
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
まず、誰なんですかねこの方。
参議って参議院じゃないでしょうけど、等って「ひとし」さん?
小野の篠原っていうのはそういう場所のことなんでしょうね、浅く茅が生えてる場所。固有名詞かもしれません。
しのぶれど、っていうのは、偲ぶですかね。
そして謎の「あまりてなどか」。
浅茅生の小野の篠原で逢ったあの人のことを思うけど、思うだけでは足りない、あぁ会いたい逢いたい恋しい人よ、、、みたいな?
意外と悪くない読みでした。
浅く茅が生えて、篠竹もある野原、というのが場所のイメージを表しているようです。篠原としのぶで「シノ」がかかっていて、しのぶは忍ぶの方でした。こっそりと想っているんですね。先に示したような情景をイメージして、そういう涼やかなイメージで人をこっそりと想っている。
ところが、あまりてなどか。ここは大体当たりました。もう想いが溢れてたまらないわけですね。
こっそり想っているけど、あぁもう恋しすぎるわー。
そして、参議という役職のひとしさんで合ってました。
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雑に読む百人一首 #38
38番 右近
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
なんかちょっと、命とか出てきてうそら寒い感じですが。
先ず、右近って何なんですか。人の名前、じゃないですよね、これ。身分?役職?
右近があるんだから左近もありそうですが、えぇと。
忘れられる身をば、まではいいとして、思わずっていうのは、思ってないのか、思わず何々するの思わずなのか。
そして、誓いてし、ですよ。何を?誰が何を誓うというのか。
誓った人? あー、将来を誓った人?
将来を誓った人とかいたけど、結局忘れられちまったよ、なんだよクソ、こんな命惜しくもな……いや、惜しいか。
みたいなことですかね?
ということで、いつものように、下のサイトで答え合わせをしてみました。
結構、惜しかったですね。
下の句の命は、将来を誓った相手の命のことで、あー将来を誓ったのに約束破りやがったアイツが神罰で死ぬのが惜しいわー、という……うぅむ。
約束破りには死あるのみ。
参考図書