百人一首 #18
住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
意味
住之江の岸に波は寄るというのに、あなたは来ない
夜でさえ、夢の通い路でさえ、人目を避けてあなたは来ない
平安時代は通い婚という風習で、男性が女性のもとへ通っていたもので、それを待つ女性目線での歌となっています。
夢の通い路、というのは、これまた平安朝の習わしで、言ってみれば夢占いのようなもの。相手の想いが、自らの夢に出てくる、ということで、待ち人が自分のことを想ってくれなければ夢にも出てきてくれない、という切ない感じになっています。
と、いいつつ、これを歌っているのは通うほうの男性。
もしかして、自分の夢に想い人が出てきてくれないのを転化した歌なのかもしれませんね。